今回はラムズではなく、この前ラムズが敗れたジェッツのQBのダーノルドについてです。

ダーノルドとは
ダーノルドはジェッツのエースQBです。大学は南カルフォルニア大学(USC)で良い活躍を見せて、2018年のドラフトで全体3位でジェッツに指名されました。このドラフトで指名されたQBにはレイブンズのジャクソン、ビルズのアレン、ブラウンズのメイフィールド、最近49ersに加入したローゼンなどがいます。
シーズン試合数成功率ヤードTDINTQBレーティング
20181357.72865171577.6
20191361.93024191384.3
20201059.717576970.7
3659.87656423778.4
そしてここまでのスタッツです。2020シーズンのスタッツはweek15までのものです。正直良いスタッツとは言えません。特に3年目の今シーズンが1番悪いのは成長していないと言われそうですね。ですがラムズ戦のように調子が良い時はチームを勝利に導くことができるQBだと思います。いわゆる調子が良い時と悪い時の差が激しいQBだと思います。この後に書いて行きますが、良い所も多いQBで個人的にが全然伸びしろがあるQBだと思うのですがね。
ではなぜダーノルドはジェッツで上手く行っていないのか、それは私は補強にあると思います。同期のジャクソン、アレン、メイフィールドは確実に彼らの周りに武器を集めました。それに対してダーノルドはどうか、ジェッツもベルやモズリーといった大物をFAで獲得しましたが、どちらも不発でした。これは結果論になってしまうかもしれませんが、ジェッツの補強は他のチームに比べて良くなかったです。

ダーノルドの良い所
ダーノルドの良い所を挙げていきます。『0:03~』などは下の動画の中でプレーが始まる時間を表しています。


・プレッシャーを気にしない
0:39~のプレーではダーノルドにディフェンスの選手がプレッシャーを掛けていますが、それも気にしずに普通にパスを通しました。プレッシャーを気にしてしまうQBだとこういうパスを失敗したり、投げ捨てたり、そもそもパスを投げずにサックされたりします。その例としてラムズのゴフが挙げられます。6:20~のプレーでも左側からプレッシャーが来ていますが、落ち着いてパスを通しています。

・走りながらでも良いパスを投げることができる。
2:26~のプレーはWRの質がもうちょっと高かったら間違いなくTDのプレーです。プレッシャーから逃れながら、決して止まらずにあのパスを投じれるのはエグいです。投げている場所もWRがギリギリキャッチできるけど、DBには届かない位置で完璧です。7:54~のプレーではまずそもそも抜け出すタイミングが良いですが、それに加えてこの正確なパス。走りながらでもこのような正確にパスを投げられるのは当然良い所です。

・走ろうと思えば走れる
0:28~のプレーはダーノルドが走ってある程度のヤードを稼ぐプレーですが、まず足がそれなりに速いです。レイブンズのジャクソンほど速い訳ではないですが、LBが追いつけないぐらいのスピード、つまりスクランブルをした時に前が空いていれば一気に駆け抜けることができるスピードを持っています。そしてこのプレーについて付け加えるとスクランブルに出るタイミングも良いです。詳しく言うとレシーバーが空いているか確認してからスクランブルに出るまでが早いということです。もしレシーバーを確認するのに時間をかけ過ぎてしまうとサックされます。その例としてイーグルスのウェンツが挙げられます。8:52~のプレーでもレシーバーを確認、プレッシャーを察知、そこから走り出すというテンポが早いです。

こう見ると実は非常に素質のあるQBなんです。

ダーノルドの将来
ジェッツはこのまま行けば今年ドラフトで全体1位指名権か2位指名権を獲得します。そこでQBを指名すると多くの人が予想しています。私はダーノルドのままで良いとは思いますが、ここではダーノルドが放出される場合に、どこのチームがダーノルドにとって良いか考えます。それぞれのチームの現状も踏まえて考えていきます。

ペイトリオッツ
今年ブレイディを放出したこともあり、プレーオフを逃したペイトリオッツ。ダーノルドのようなまだ若く可能性のあるQBは欲しいでしょうね。OLも従来は強固ですし、ランオフェンスも強力なのでジェッツよりは良いチームでしょう。しかしエデルマンを除いてレシーバーのレベルが低いのは良くないポイント。そうなるとペイトリオッツはベストな選択肢ではないと思います。

コルツ
リバースが先発QBですが、もうベテランということもあり、ダーノルドを獲得する可能性があると思います。しかし正直ダーノルドがリバースのバックアップというのはもったいないと思ったので、コルツは良い移籍先ではないと思います。これはバッカニアーズやセインツ、ワシントンの場合も同じなので、それらのチームは候補から外しています。

ジャガーズ
ジャガーズの先発QBはミンシュー、彼のスタッツは素晴らしいんですが、チームの勝利に結びついておらず、現在1勝と苦しい現状です。オフェンスの選手も揃っていてダーノルドにとっては良い場所なんですが、ジャガーズがダーノルドを獲得することはないでしょう。その理由としてはまずミンシューの方がダーノルドより成績が良い。またミンシューを見切って、違うQBに乗り換える場合でもドラフトの全体1位か2位の指名権を持つ予定なので、そこでQBを指名できるからです。となるとダーノルドのジャガーズ行きはないです。

ブロンコス
ブロンコスの先発QBはロックですが、彼のスタッツは散々です。ロックのプレーを見たことがないのでパフォーマンスが良いのかとかは分からないですが、ロック自身まだ若いので、チームが彼の成長を待つならダーノルドの獲得はないでしょうね。ブロンコスのオフェンスはかなり良いメンツが揃ってきています。それも中心は若手です。サックも多くはない、ラン攻撃は超強力ですし、レシーバーも最近のドラフトのおかげで揃ってきています。その面からはダーノルドにとってはベストの選択肢でしょうね。

ジャイアンツ
ジャイアンツの先発QBはジョーンズ、彼のスタッツはダーノルド並で正直良くないです。どちらかと言うと彼の足に頼っている感じです。ジョーンズからダーノルドに乗り換えることはなくはないですが、ジェッツの前エースQBが同じニューヨークのジャイアンツに移籍って何となく嫌ですね。それにジャイアンツのオフェンス陣は全然整備されていないですし、ダーノルドにとっても良くないです。

ベアーズ
このチームの先発QBは現在定まっていません。フォールズとトゥルビスキーの2人の両方が多くの試合を先発しています。なのでQBを欲していると思われますが、今シーズンここまで7勝7敗で勝率は50%、となると敢えてQBを変えることはないのかと思いますね。


ここまで色々なチームを見てきましたが個人的にはブロンコスがダーノルドにとっては良いチームだと思うのですが、若干現実味がない、そうすると決してベストではないですけどペイトリオッツが良いのかなと思いますね。今シーズンのオフに注目です!(そのままジェッツに残るかもしれないですけど)